「子猫のうんちがいつもよりやわらかい気がする」「さっきまで元気だったのに、急におとなしくなった」「体重って、どのくらい増えていれば大丈夫なの?」。子猫を迎えたばかりの飼い主にとって、小さな体の変化は、一つひとつが心配の種になりますよね。
子猫は、成猫に比べて体が小さく、体力の貯えも少ないため、体調を崩すと数時間で急変することがあります。下痢が続いて脱水を起こしたり、ごはんを食べられずに低血糖になったりすると、命に関わることもあります。反対に、少しやわらかいうんちが1回出ただけなら、慌てる必要がない場合もあります。
大切なのは、子猫の「正常な状態」を知っておき、そこから外れたときにすぐ気づけることです。この記事では、子猫の体重・体温・呼吸・うんち・おしっこの正常値と異常サインを早見表と図解でまとめ、すぐに受診すべき危険なサイン、月齢別の注意点、毎日の健康チェックのやり方まで紹介します。
この記事でわかること
- 子猫の体重・体温・呼吸の正常値の早見表
- 月齢別の体重の目安と、正しい量り方
- うんち・おしっこ・目・耳・皮膚のチェックポイント
- 低体温・低血糖・脱水など、子猫に多い危険な状態
- すぐに動物病院へ行くべきサインと、月齢別の注意点
結論:体重・体温・うんちの3つを毎日見る
子猫の健康チェックで特に大切なのは、体重、体温(体の温かさ)、うんちの3つです。この3つを毎日確認していれば、多くの異常に早く気づくことができます。まずは、正常値と注意したいサインを早見表で確認しておきましょう。
| チェック項目 | 正常の目安 | 注意したいサイン |
|---|---|---|
| 体重 | 毎日〜毎週、少しずつ増えている | 2日以上増えない、減っている |
| 体温 | 38.0〜39.2℃前後(生後1か月以降) | 37.5℃以下、39.5℃以上 |
| 呼吸 | 安静時は口を閉じて、静かに呼吸している | 口を開けてハアハアする、お腹で大きく息をする |
| 歯ぐきの色 | きれいなピンク色 | 白っぽい、青紫色、黄色っぽい |
| うんち | 茶色でほどよい硬さ | 水のような下痢、血が混じる、2日以上出ない |
| おしっこ | 1日数回、薄い黄色 | 出ない、何度もトイレに行く、赤い |
| 食欲・元気 | よく食べ、起きているときは活発に遊ぶ | 半日以上食べない、ぐったりしている |
数値はあくまで目安で、子猫によって多少の差があります。大切なのは、その子にとっての「いつもの状態」を知っておくことです。元気なときの体重や、うんちの状態、歯ぐきの色を覚えておくと、変化に気づきやすくなります。
子猫の体重の目安
子猫の健康状態を知るうえで、最もわかりやすい指標が体重です。順調に育っている子猫は、毎日少しずつ体重が増えていきます。生まれたばかりの子猫はおよそ100gほどで、生後1週間で倍くらいに、その後も1日に10〜15gほどのペースで増えていくのが一般的です。

ペットショップや保護団体から迎える生後2〜3か月の子猫は、体重が1kg前後のことが多いでしょう。この時期は、1週間に100g前後のペースで増えていくのが目安です。生後6か月ごろまでは成長のスピードが速く、その後はゆるやかになり、1歳ごろにほぼ成猫の体重に近づきます。
ただし、体重の目安は猫種や性別、個体によって大きく違います。メインクーンやノルウェージャンフォレストキャットなどの大型の猫種はもっと大きく育ちますし、同じ兄弟でもオスとメスで差が出ることもあります。数字そのものにとらわれるより、その子の体重が毎週きちんと増えているかを見ることが大切です。
体重が2日以上増えない、または減っている場合は、体調に何か問題があるかもしれません。食欲や元気、うんちの状態もあわせて確認し、早めに動物病院に相談しましょう。特に生後2か月までの小さな子猫は、体重の減少が命に関わることもあります。
体重の量り方と記録のつけ方
子猫の体重は、1g単位で量れるキッチンスケールを使うと正確に量れます。体重が小さい子猫にとっては、数十gの変化も大切なサインになるからです。
- キッチンスケールに入れ物をのせる:浅い箱やかごをのせ、目盛りをゼロに合わせる
- 子猫を入れ物に入れる:動き回る場合は、おやつで気をそらす
- 毎日同じ時間に量る:朝のごはん前など、条件をそろえると比べやすい
- 記録する:ノートやスマートフォンのアプリに、日付と体重を書いておく
体が大きくなってキッチンスケールにのらなくなったら、飼い主が子猫を抱いて人の体重計にのり、飼い主だけの体重を引く方法もあります。ただし、人の体重計は100g単位のものが多いので、細かい変化は分かりにくくなります。
記録をつけておくと、動物病院を受診したときにも、体重の変化を正確に伝えられます。体重とあわせて、ごはんの量や、うんちの状態、気になったことをメモしておくと、体調の変化に早く気づけるようになります。子猫の成長に合わせた食事やワクチンのスケジュールは「子猫を迎えたら最初の1年が勝負|月齢別の食事・ワクチン・しつけスケジュール」で紹介しています。
体温の正常値と測り方
猫の平熱は、人より少し高く、38.0〜39.2℃前後が目安です。生後1か月を過ぎた子猫も、ほぼ同じくらいの体温になります。一方、生まれたばかりの子猫は、自分で体温を保つ力がまだ弱く、平熱も少し低めです。
家庭で体温を正確に測るのは難しいため、ふだんは体をさわったときの温かさで確認しましょう。耳の付け根や足先、お腹をさわって、いつもより冷たくないか、熱くないかを確かめます。
| 状態 | 体温の目安 | さわったときの様子 | 対応 |
|---|---|---|---|
| 正常 | 38.0〜39.2℃前後 | 手でさわってほんのり温かい | いつもどおり |
| 低体温 | 37.5℃以下 | 耳や足先、口の中が冷たい | 体を温めて、すぐに受診 |
| 発熱 | 39.5℃以上 | 耳や体が熱い、ぐったりしている | 早めに受診 |
体温計で測る場合は、ペット用の体温計の先にワセリンなどを塗り、お尻の穴に1〜2cmほどそっと差し込んで測ります。ただし、慣れていないと子猫を傷つけたり、嫌がって暴れたりすることがあるので、無理に行う必要はありません。心配なときは、動物病院で測ってもらいましょう。
特に注意したいのが低体温です。子猫の体が冷たくなっている場合は、体調がかなり悪化しているサインです。毛布やタオルで体を包み、湯たんぽなどでゆっくり温めながら、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。湯たんぽやカイロを直接肌に当てると、低温やけどを起こすことがあるので、必ずタオルでくるんでください。
呼吸と歯ぐきの色をチェック
体温とあわせて確認したいのが、呼吸の様子と歯ぐきの色です。どちらも、特別な道具がなくても家庭で確認できる大切なサインです。
子猫が眠っているときや、落ち着いてくつろいでいるときに、胸やお腹の動きを見て呼吸の様子を確認しましょう。健康な子猫は、口を閉じて、静かに規則正しく呼吸しています。遊んだ直後に一時的に呼吸が速くなることはありますが、休んでも落ち着かない場合は注意が必要です。
- 口を開けてハアハアと呼吸している:猫はふだん口呼吸をしないため、要注意
- お腹を大きく動かして呼吸している:呼吸が苦しいサイン
- ゼーゼー、ヒューヒューと音がする:気管や肺の異常の可能性
- くしゃみや鼻水が続く:猫風邪などの感染症の可能性
歯ぐきの色は、唇をそっとめくって確認します。健康な子猫の歯ぐきは、きれいなピンク色です。白っぽい場合は貧血やショック状態、青紫色の場合は酸素が足りていない状態、黄色っぽい場合は肝臓の病気などが考えられます。いずれの場合も、すぐに動物病院を受診してください。元気なときの歯ぐきの色を、一度確認して覚えておくと、変化に気づきやすくなります。
うんち・おしっこの正常と異常
うんちとおしっこは、子猫の体の中の状態を知る大切な手がかりです。毎日のトイレ掃除のときに、色や硬さ、量、回数を確認する習慣をつけましょう。

子猫は、環境の変化やフードの切り替え、緊張などで、一時的に軟便になることがよくあります。迎えたばかりの数日間に、少しやわらかいうんちが出るのは珍しいことではありません。食欲と元気があり、体重も減っていなければ、1〜2日様子を見てもよいでしょう。
一方で、水のような下痢が何度も出る場合は注意が必要です。子猫は体の水分量が少ないため、下痢が続くとあっという間に脱水を起こします。お腹の虫(寄生虫)や、ウイルスや細菌による感染症が原因のこともあります。受診するときは、うんちを少しビニール袋やラップに包んで持っていくと、検査に役立ちます。
おしっこは、1日に数回、薄い黄色のものが出ていれば正常です。トイレに何度も行くのに少ししか出ない、おしっこが赤い、まったく出ていないといった場合は、膀胱炎や尿路の異常の可能性があるので、早めに動物病院を受診しましょう。
目・鼻・耳・皮膚のチェック
体の外側の状態からも、子猫の健康状態を知ることができます。なでたり抱っこしたりするついでに、次のポイントを確認しましょう。
| 部位 | 正常な状態 | 注意したいサイン |
|---|---|---|
| 目 | ぱっちり開いていて、目やにが少ない | 黄色や緑色の目やに、涙が多い、目が開かない、赤い |
| 鼻 | 適度に湿っていて、鼻水がない | 鼻水、くしゃみが続く、鼻の周りがかさぶたで汚れる |
| 耳 | 中が薄いピンク色で、においがない | 黒い耳あか、においがする、しきりにかく、頭を振る |
| 皮膚・被毛 | 毛につやがあり、フケや脱毛がない | フケ、脱毛、赤いぶつぶつ、黒い粒(ノミのふん) |
| お尻 | きれいで汚れていない | うんちがこびりついている、赤く腫れている |
子猫に特に多いのが、「猫風邪」と呼ばれるウイルス性の上部気道感染症です。目やに、くしゃみ、鼻水が主な症状で、鼻がつまるとにおいがわからなくなり、ごはんを食べなくなることもあります。子猫は症状が悪化しやすいので、目やにや鼻水が見られたら、早めに受診しましょう。
保護された子猫や、外で暮らしていた子猫は、ノミや耳ダニ、お腹の虫を持っていることがあります。迎えたらなるべく早く動物病院で健康診断を受け、必要に応じて駆虫をしてもらいましょう。
子猫に多い危険な状態
子猫は、成猫なら耐えられる程度の体調不良でも、短い時間で命に関わる状態になることがあります。特に注意したいのが、次の3つです。
低血糖
子猫は、体にエネルギーを貯えておく力が弱いため、ごはんを食べられない時間が続くと、血液中の糖分が足りなくなる「低血糖」を起こすことがあります。ぐったりして動かない、ふるえる、ふらつく、けいれんするといった症状が出て、放っておくと命に関わります。
低血糖が疑われるときは、すぐに動物病院に連絡しましょう。病院に向かう間の応急処置として、砂糖水やはちみつを少量、歯ぐきに塗ることを指示される場合があります。意識がはっきりしないときに、無理に口の中に流し込むと、気管に入って危険なので注意してください。
脱水
下痢や嘔吐が続くと、子猫の体からはどんどん水分が失われていきます。首の後ろの皮膚をつまんで離したときに、すぐに元に戻らない、歯ぐきが乾いてねばねばしている、といった様子は脱水のサインです。子猫の脱水は急速に進むため、早めに動物病院で点滴などの治療を受けましょう。
低体温
体調が悪くなった子猫は、体温が下がりやすくなります。体が冷たくなると、消化の働きも落ちて、ごはんを受けつけなくなり、さらに体力が落ちるという悪循環に陥ります。体が冷たいと感じたら、タオルで包んで温めながら、すぐに受診してください。
この3つは、互いに関係し合いながら急速に悪化していくのが特徴です。「食べない」「下痢をしている」「体が冷たい」のどれか1つでも見られたら、早めに対応することが大切です。
すぐに動物病院へ行くべきサイン
次のようなサインが見られたら、様子を見ずに、すぐに動物病院に連絡してください。診察時間外の場合は、夜間救急の動物病院に相談しましょう。

子猫の具合が悪いとき、「明日の朝まで様子を見よう」と考えるのは危険です。成猫なら一晩様子を見られる症状でも、子猫では一晩のうちに急変することがあります。迷ったときは、まず動物病院に電話して、症状を伝えて指示をもらいましょう。
いざというときに慌てないよう、かかりつけの動物病院の連絡先と診療時間、近くの夜間救急病院の場所と電話番号を、スマートフォンに登録しておくと安心です。子猫を迎える前の準備については「子猫を迎える前の準備チェックリスト」でも紹介しています。
月齢別の注意点
子猫の体は、月齢によって大きく変わっていきます。それぞれの時期に特に気をつけたいことを整理しました。
| 月齢 | 体の特徴 | 特に注意したいこと |
|---|---|---|
| 〜生後1か月 | 自分で体温を保てず、排泄も母猫の助けが必要 | 保温、授乳、体重の毎日チェック |
| 生後1〜2か月 | 離乳が始まり、歯が生えそろってくる | 離乳食への切り替えでの下痢、低血糖 |
| 生後2〜3か月 | 新しい家に迎えられることが多い時期 | 環境の変化による体調不良、ワクチン接種 |
| 生後3〜6か月 | 活発になり、行動範囲が広がる | 誤飲・落下などの事故、乳歯から永久歯への生え変わり |
| 生後6か月〜1歳 | 体つきが大人に近づき、発情が始まることも | 避妊・去勢手術の時期の相談、肥満 |
新しい家に迎えられる生後2〜3か月ごろは、環境の変化による緊張から、体調を崩しやすい時期です。迎えてから数日間は、子猫を静かに休ませ、たくさん遊ばせすぎないようにしましょう。この時期は、ワクチン接種のスケジュールも始まるので、かかりつけの動物病院と相談しながら進めていきます。
生後3〜6か月ごろになると、好奇心が旺盛になり、何でも口に入れたり、高いところに登ったりするようになります。病気だけでなく、誤飲や落下などの事故にも注意が必要です。ひもや輪ゴム、小さなおもちゃなど、飲み込んでしまいそうなものは、子猫の手の届かない場所に片付けておきましょう。
毎日の健康チェックのやり方
健康チェックといっても、特別なことをする必要はありません。毎日のお世話の中で、次のポイントを意識して見るだけで十分です。
- 朝ごはんの前に体重を量る:記録して、前日と比べる
- ごはんの食べ方を見る:いつもどおり食べているか、残していないか
- トイレ掃除でうんちとおしっこを確認:色、硬さ、量、回数
- 抱っこやなでるついでに体をチェック:体の温かさ、目・鼻・耳・お尻の汚れ
- 遊んでいる様子を見る:元気に動いているか、呼吸は落ち着いているか
毎日同じ流れで確認していると、「いつもと違う」ことに自然と気づけるようになります。気になることがあれば、写真や動画を撮っておくと、動物病院で症状を伝えるときに役立ちます。
子猫の時期は、ワクチン接種や健康診断で動物病院に行く機会も多くあります。そのときに、ふだんの記録を見せながら、気になっていることを相談しましょう。定期的な健康診断については「猫の健康診断は何歳から・いくら?」で紹介しています。
ワクチンと駆虫で防げる病気
子猫がかかりやすい病気の中には、ワクチンや駆虫で予防できるものも多くあります。特に次の病気は、子猫がかかると重症になりやすいため、予防がとても大切です。
- 猫汎白血球減少症(パルボウイルス感染症):激しい下痢や嘔吐を起こし、子猫では命に関わることが多い。ワクチンで予防できる
- 猫風邪(ヘルペスウイルス・カリシウイルス):目やに、くしゃみ、鼻水、口内炎。ワクチンで症状を軽くできる
- お腹の虫(回虫・条虫など):下痢や体重が増えない原因に。検便と駆虫薬で対応する
- ノミ・耳ダニ:かゆみや皮膚炎、貧血の原因に。動物病院の駆除薬で対応する
子猫のワクチンは、生後2か月ごろから、数週間おきに2〜3回接種するのが一般的です。ワクチンの効果が十分に出るまでは、ほかの猫との接触をできるだけ避け、外から帰ったら手を洗ってから子猫にさわるようにしましょう。接種のスケジュールは子猫の状態によって変わるので、かかりつけの獣医師と相談しながら進めてください。
子猫の健康チェックでよくある質問
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Q子猫がよく寝ていますが、元気がないのでしょうか?
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A子猫は1日の大半を眠って過ごすのが普通です。起きているときに好奇心旺盛に動き回り、ごはんをよく食べていれば心配いりません。ただし、起きている時間もぐったりして動かない、呼びかけに反応しない、体が冷たいといった場合は、すぐに受診してください。
-
Q迎えたばかりの子猫が軟便です。すぐ病院に行くべきですか?
-
A環境の変化やフードの違いで、迎えてすぐに軟便になる子猫は多いです。食欲と元気があり、体重が減っていなければ、1〜2日様子を見てもよいでしょう。水のような下痢が何度も出る、血が混じる、食欲がないといった場合は、すぐに受診してください。
-
Q子猫の体重が思ったより軽いのですが、大丈夫でしょうか?
-
A体重の目安には個体差があり、小柄な子猫もいます。大切なのは、体重が順調に増え続けているかどうかです。毎週しっかり増えていて、食欲や元気があれば心配いりません。体重が増えない、減っている場合は、寄生虫や病気の可能性もあるので、動物病院で相談しましょう。
まとめ:「いつもの状態」を知って、小さな変化に気づこう
子猫は体が小さく、体調を崩すと短い時間で急変することがあります。正常な状態を知り、毎日のお世話の中で小さな変化に気づけることが、子猫の命を守ることにつながります。
- 体重・体温・うんちの3つを毎日チェックする
- 体重は1g単位のキッチンスケールで量り、毎週増えているかを確認
- 体が冷たい、歯ぐきが白い・青紫色は危険なサイン
- 水のような下痢が何度も出たら、その日のうちに受診
- 低血糖・脱水・低体温は子猫に多く、急速に悪化する
- 迷ったら「様子見」ではなく、まず動物病院に電話する
毎日体重を量り、うんちを見て、体をなでてあげる。そんな何気ないお世話の積み重ねが、子猫の健康を守るいちばんの方法です。記録をつけながら、子猫の成長を見守る時間を楽しんでください。

