子猫を迎える日が決まったら、わくわくする気持ちと同時に、「何を準備すればいいんだろう」「家の中に危ないものはないかな」と不安になるものです。子猫は好奇心のかたまりで、小さな体でどこにでも入り込み、何でも口に入れてしまいます。大人の猫なら平気なことでも、子猫にとっては大きな事故につながることがあります。
迎える前にしっかり準備をしておけば、子猫は新しい家に早くなじみ、飼い主も落ち着いて新しい暮らしを始められます。反対に、準備が足りないまま迎えると、初日から慌てて買い物に走ったり、思わぬ事故にヒヤリとしたりすることになりかねません。
この記事では、迎える前にそろえたいもののチェックリスト、部屋の危険箇所と安全対策、かかりつけ動物病院の探し方、初期費用の目安、そして迎える当日と最初の1週間の過ごし方まで、図と表でまとめました。
この記事の結論
- 準備は迎える2週間前から。フードとトイレの砂は、迎える先で使っていたものと同じものを用意します
- 電気コード・ひも・観葉植物(特にユリ)・洗濯機・ベランダなど、子猫の目の高さで危険をチェックします
- 迎える前にかかりつけの動物病院を決め、数日以内に健康診断を受けられるようにしておきます
- 初期費用は、用品と医療費を合わせておよそ4万〜11万円が目安です
準備は迎える2週間前から始めよう
子猫を迎える準備は、できれば2週間ほど前から始めるのがおすすめです。グッズをそろえるだけでなく、部屋の片付けや安全対策、動物病院探しなど、やることは意外と多いからです。
まずは、子猫を迎える先(ブリーダー、ペットショップ、保護団体など)に、次のことを確認しておきましょう。これを知っておくと、迎えた後の生活がスムーズになります。
- 今食べているフードの種類と、1日の量・回数
- 使っているトイレの砂の種類
- ワクチン接種や駆虫の記録、健康状態
- 生年月日(おおよその月齢)と、性格や好きな遊び
- マイクロチップの有無と、登録に必要な書類
子猫にとって、住む場所が変わることは大きなストレスです。フードやトイレの砂など、変えずに済むものはできるだけ同じにしてあげると、新しい環境への不安を少しでも和らげることができます。
準備期間のうちに、子猫の名前を考えておくのも楽しい時間です。迎えた日から同じ名前で呼びかけ、ごはんをあげるときや遊ぶときに名前を呼ぶと、子猫は早く自分の名前を覚えてくれます。
家族で暮らしている場合は、誰がどのお世話を担当するか、子猫が入ってはいけない部屋をどこにするかなども、この時期に話し合っておきましょう。
準備物チェックリスト
子猫を迎える日までに用意しておきたいグッズを、用途別にまとめました。

すべてを最初から完璧にそろえる必要はありません。迎える日までに必ず必要なものと、暮らしながら買い足せばよいものを分けて考えましょう。
| 優先度 | グッズ | 理由 |
|---|---|---|
| 迎える日までに必須 | フード、食器、水飲み、トイレと猫砂、キャリー、寝床 | 初日から食事・排泄・休息に必要 |
| できれば初日までに | ケージ、爪とぎ、ペットシーツ、キッチンスケール | 安全な居場所と、体重管理のため |
| 1か月以内に | キャットタワー、ブラシ、爪切り、おもちゃの追加 | 子猫の好みを見てから選べる |
子猫向けのグッズ選びのポイント
子猫向けのグッズは、大人の猫用とは少し選び方が違います。子猫の小さな体と、何でも口に入れる習性を考えて選びましょう。
- トイレは縁の低いもの:子猫がまたげる高さに。大きくなったら成猫用に替える
- 食器は浅く、安定したもの:ひっくり返りにくい、重さのある陶器が安心
- おもちゃは部品が外れないもの:小さな鈴や羽根、ひもは誤飲の危険。遊び終わったら片付ける
- 猫砂は固まらないか、食べても害の少ないもの:子猫が砂を口にしてしまうことがあるため、最初は天然素材の砂も選択肢に
- ベッドは囲まれた形:ドーム型や、箱にタオルを敷いたものでも十分。体温が下がりやすいので暖かく
キャリーは、上からも開けられるタイプを選ぶと、子猫を出し入れしやすく、動物病院の診察台の上でふたを開けてそのまま診てもらうこともできます。子猫はすぐに大きくなるので、成猫になっても使える大きさのものを選ぶと、買い替えずに済みます。
首輪を付ける場合は、軽くてやわらかい素材で、引っかかったときに外れる安全バックル付きのものを選びましょう。子猫はすぐに成長するので、きつくなっていないかをこまめに確認してください。
キッチンスケールは、子猫の体重を量るのに欠かせません。子猫は体重の増え方が健康のバロメーターになるため、1g単位で量れるものを用意しておきましょう。ご飯の量を量るのにも使えます。グッズ全般の選び方は「猫飼いが買ってよかったグッズ」でも紹介しています。
子猫にとっての家の中の危険
子猫にとって、家の中は危険がいっぱいです。人間にとっては何でもないものが、子猫には命に関わる事故の原因になることがあります。迎える前に、床にしゃがんで子猫の目の高さで部屋を見回し、危ないものがないかチェックしましょう。

特に注意したいのが、電気コードとひも類です。子猫は細長いものにじゃれつき、かじるのが大好きです。電気コードをかじって感電したり、ひもや輪ゴム、ヘアゴムを飲み込んで腸に詰まったりする事故は、子猫によく見られます。
観葉植物や切り花にも気をつけてください。猫にとって毒になる植物はたくさんあり、中でもユリは、花粉や花瓶の水をなめただけでも急性腎不全を起こすことがある、とても危険な植物です。猫を迎えたら、ユリ科の植物は家に置かないようにしましょう。
ドラム式の洗濯機や乾燥機は、暗くて暖かく、子猫にとって居心地のよい隠れ場所になりがちです。気づかずに運転してしまう痛ましい事故も起きています。使わないときは扉を閉め、運転前には必ず中を確認する習慣をつけてください。
場所別の安全対策
危険な場所ごとに、具体的な対策をまとめました。
| 場所・もの | 危険 | 対策 |
|---|---|---|
| 電気コード | かじって感電、断片を誤飲 | コードカバーを付ける、家具の裏に通す、使わない家電はプラグを抜く |
| ひも・輪ゴム・ヘアゴム | 飲み込んで腸閉塞 | 床やテーブルに置かない、引き出しにしまう |
| 観葉植物・切り花 | 中毒(特にユリ) | 猫に有毒な植物は置かない。猫草を用意する |
| キッチン | やけど、危険な食べ物の誤食 | 子猫を入れない柵を付ける、生ごみはふた付きのゴミ箱に |
| 洗濯機・乾燥機・冷蔵庫 | 閉じ込め、挟まれ | 使わないときは扉を閉め、使う前に中を確認 |
| 浴槽・トイレ | 溺れる | 残り湯を抜く、ふたを閉める、ドアを閉める |
| 玄関・窓・ベランダ | 脱走、転落 | 脱走防止の柵、網戸ロック、ベランダに出さない |
| 人の薬・化粧品・洗剤 | 中毒 | 扉のある棚にしまう |
ソファやリクライニングチェアも、子猫が中にもぐり込んで、座ったときや動かしたときに挟まれる事故が起こることがあります。座る前や動かす前に、子猫がどこにいるかを確認する習慣をつけましょう。
家具と家具のすき間や、冷蔵庫・洗濯機の裏など、子猫が入り込んで出られなくなる場所も、あらかじめふさいでおきましょう。子猫は驚くほど狭いすき間に入り込みます。脱走防止の対策は「猫の脱走は一瞬で起きる!脱走防止対策とおすすめグッズ」で詳しく紹介しています。
子猫の部屋(ケージ)づくり
迎えたばかりの子猫には、家じゅうを自由にさせるのではなく、安全な1部屋か、ケージを「子猫の基地」として用意してあげましょう。広すぎる空間は、子猫にとってかえって不安になりますし、飼い主の目も届きにくくなります。
ケージを使う場合は、トイレ・寝床・食器・水が入る大きさのものを選びます。2段や3段のケージなら、上下運動もでき、トイレと寝床を離して置けるので便利です。ケージは、人の気配を感じられるけれど騒がしすぎない場所に置き、直射日光やエアコンの風が直接当たらないようにしましょう。
ケージは閉じ込めるためのものではなく、「子猫が安心できる自分の場所」です。飼い主が見ていられない時間や、夜寝ている間、留守番のときにケージで過ごさせると、事故を防ぐことができます。慣れてきたら、飼い主の目が届くときだけ部屋に出して遊ばせ、少しずつ行動範囲を広げていきます。
子猫は体温を保つ力が弱いので、寝床は暖かくしてあげましょう。ペット用のヒーターを使う場合は、ケージの一部だけを暖めて、暑いときには離れられるようにしておくと安心です。
かかりつけ動物病院を先に探しておく
子猫を迎えたら、数日以内に動物病院で健康診断を受けるのが理想です。迎えてから慌てて探さなくて済むよう、事前にかかりつけの病院を決めておきましょう。
動物病院を選ぶときは、次のようなポイントを参考にしてください。
- 家から通いやすい:通院のたびにキャリーで移動するので、近いほど猫の負担が少ない
- 猫の診療に慣れている:猫専用の待合室や診察時間がある病院は、猫のストレスが少ない
- 説明がわかりやすい:治療の内容や費用を丁寧に説明してくれる
- 時間外の対応:夜間や休日に何かあったときの対応や、連携している救急病院を確認
あわせて、近くの夜間救急動物病院の場所と連絡先も調べて、スマホに登録しておきましょう。子猫は体調が急に変わることがあるため、いざというときにすぐ連絡できる準備が大切です。
病院を選ぶときには、実際に一度足を運んで、院内の雰囲気や清潔さ、スタッフの対応を見ておくのもおすすめです。近所の猫を飼っている人に評判を聞いてみるのも参考になります。
最初の健康診断では、体重測定や全身のチェックのほか、検便でお腹の虫がいないかを調べます。ワクチンの予定や、去勢・避妊手術の時期についても、このときに相談しておくと安心です。
初期費用と毎月の費用の目安
子猫を迎えるにあたって、どれくらいの費用がかかるのかも把握しておきましょう。最初の1年は、用品の購入や医療費が重なり、出費が多くなります。

迎えた後は、毎月次のような費用がかかります。
| 毎月かかるもの | 目安 |
|---|---|
| フード・おやつ | 月3,000〜8,000円 |
| 猫砂・ペットシーツ | 月1,000〜3,000円 |
| ペット保険(任意) | 月1,500〜4,000円程度 |
| おもちゃ・消耗品 | 月500〜2,000円 |
子猫の時期は、お腹を壊したり猫風邪をひいたりして、思わぬ通院が発生することもあります。ペット保険は、持病があると加入できなかったり補償の対象外になったりすることが多いため、検討するなら健康な子猫のうちがおすすめです。保険の選び方は「猫のペット保険は必要?選び方と加入のタイミング」で解説しています。
家族で決めておきたいルール
子猫を迎える前に、家族でいくつかのルールを決めておくと、子猫が混乱せず、しつけもスムーズに進みます。
- お世話の担当:ごはん、トイレ掃除、遊びの時間を誰が担当するか
- ごはんとおやつのルール:1日の量を決め、家族それぞれが勝手に与えない
- 入ってはいけない部屋:キッチンや寝室など、子猫を入れない場所を決める
- やってはいけないこと:手でじゃれさせない、しっぽを引っ張らない、寝ているときに起こさない
- ドアや窓の開け閉め:子猫がいないか確認してから開け閉めする
ルールは紙に書いて冷蔵庫などに貼っておくと、家族みんなが確認しやすくなります。子猫の成長に合わせて、ごはんの量や回数が変わったときも、その紙を書きかえて共有しましょう。
特に、小さな子どもがいる家庭では、子猫への接し方を事前に伝えておくことが大切です。子猫は体が小さく、強く抱きしめたり落としたりすると大けがにつながります。抱っこは大人と一緒のときだけ、といったルールを決めておきましょう。
「手でじゃれさせない」も、家族全員で守りたいルールです。子猫のうちは噛まれても痛くないので手で遊んでしまいがちですが、手を噛んでいいものと覚えると、成猫になってから本気で噛むようになってしまいます。遊ぶときは、必ずじゃらしなどのおもちゃを使いましょう。
迎える当日の流れ
迎える当日は、できるだけ午前中など、時間に余裕のある日を選びましょう。その日のうちに子猫の様子をじっくり見守れるよう、飼い主も予定を空けておくと安心です。
- キャリーで迎えに行く:キャリーには、迎える先で使っていたタオルなど、子猫のにおいがついたものを入れてもらう
- 書類を受け取る:ワクチンや駆虫の記録、マイクロチップの登録書類、フードの情報
- 静かに移動する:車ならキャリーを固定し、急ブレーキや大きな音を避ける
- 家に着いたら子猫の部屋へ:キャリーごと部屋やケージに入れ、扉を開けて、子猫が自分から出てくるのを待つ
- トイレの場所を教える:子猫が落ち着いてきたら、トイレにそっと入れて場所を覚えさせる
当日は、家族みんなで子猫を囲んだり、次々に抱っこしたりしたくなりますが、ぐっと我慢しましょう。子猫は新しい環境にとても緊張しています。まずは静かに見守り、子猫が自分から近づいてきたら、そっとなでてあげる程度にとどめてください。
最初の1週間の過ごし方
最初の1週間は、子猫が新しい家に慣れるための大切な期間です。次のポイントを意識して過ごしましょう。
| 確認すること | 目安 | 注意したいサイン |
|---|---|---|
| 食欲 | いつもの量をしっかり食べる | 半日以上何も食べない |
| うんち・おしっこ | トイレで排泄できている | 水のような下痢、2日以上出ない |
| 体重 | 少しずつ増えている | 体重が減る、増えない |
| 元気 | 起きている時間は好奇心旺盛に動く | ぐったりして遊ばない、体が冷たい |
| 目・鼻 | 目やにや鼻水がない | 黄緑色の目やに、くしゃみが続く |
最初の1週間は、子猫がたくさん眠るのも自然なことです。子猫は1日の大半を眠って過ごし、起きている短い時間に全力で遊びます。眠っているときは無理に起こさず、起きて遊びたそうにしているときに、じゃらしで遊んであげましょう。遊びの時間は、子猫と飼い主が仲良くなるいちばんの近道です。
環境の変化で、最初の1〜2日は食欲が落ちたり、軟便になったりすることがありますが、多くはすぐに落ち着きます。ただし、子猫は体が小さく、下痢や食欲不振で脱水や低血糖を起こしやすいため、元気がない、半日以上食べないといった場合は、早めに動物病院に相談してください。
子猫の育て方全体の流れは「子猫を迎えたら最初の1年が勝負|月齢別の食事・ワクチン・しつけスケジュール」で、子猫の体の正常値は「子猫の体重・体温・うんちの正常値と異常サイン早見表」で紹介しています。
先住猫がいる場合の準備
すでに猫を飼っている家庭で子猫を迎える場合は、先住猫のための準備も必要です。子猫は、健康診断で問題がないことがわかるまで、先住猫とは別の部屋で過ごさせます。猫風邪やお腹の虫、ノミなどは、猫同士でうつることがあるからです。
子猫用のトイレや食器は、先住猫のものとは別に用意しましょう。先住猫のトイレや寝床、お気に入りの場所は、そのままにしておくことが大切です。新入りのために先住猫の場所を奪うと、子猫への印象が悪くなってしまいます。
対面は、においの交換から始めて、ドア越し、ゲート越しと、段階を踏んで少しずつ進めます。詳しい手順は「先住猫と新入り猫を仲良くさせる方法」で紹介しています。
子猫を迎える準備についてよくある質問
-
Qケージは必ず必要ですか?
-
A必須ではありませんが、あると安心です。飼い主が見ていられない時間の事故防止や、先住猫との生活空間を分けるのに役立ちます。ケージがない場合は、危険なものをすべて片付けた1部屋を、子猫の部屋として使いましょう。
-
Q子猫を迎えるのに適した月齢はありますか?
-
Aペットショップやブリーダーなどの販売業者は、生後56日(8週)を過ぎていない子猫を販売・引き渡すことが法律で禁止されています。母猫や兄弟と過ごす時間は、猫同士の付き合い方を学ぶ大切な期間なので、個人から迎える場合もこの目安を参考にしましょう。
-
Q仕事で日中いませんが、子猫を迎えても大丈夫ですか?
-
A生後2〜3か月の子猫は1日に何回もごはんが必要で、長時間のひとり留守番は難しい時期です。迎えてすぐの数日は休みをとる、昼に誰かに様子を見てもらう、自動給餌器を使うなどの工夫をしましょう。生後3〜4か月を過ぎれば、ケージなど安全な場所で半日程度の留守番ができるようになります。
まとめ:準備を整えて、子猫を安心して迎えよう
子猫を迎える準備は、グッズをそろえることだけではありません。家の中の危険を取り除き、動物病院を決め、家族でルールを話し合っておくことで、子猫は安心して新しい暮らしを始められます。
- 準備は2週間前から。フードと砂は迎える先と同じものを
- 電気コード・ひも・観葉植物・洗濯機・ベランダの危険を取り除く
- 迎えたばかりの子猫は、ケージや1部屋を安全な基地に
- かかりつけの動物病院と夜間救急病院を事前に調べておく
- 初期費用はおよそ4万〜11万円が目安
- 当日と最初の1週間は、静かに見守り、食欲・排泄・体重を確認
迎えた後も、子猫の成長に合わせて、グッズや部屋の安全対策を見直していきましょう。子猫は数か月で驚くほど高い場所に登れるようになり、行動範囲もどんどん広がっていきます。
準備が整ったら、あとは子猫が来る日を楽しみに待つだけです。小さな家族との新しい毎日が、たくさんの笑顔で満ちたものになりますように。困ったときは、いつでもこのチェックリストに戻ってきてください。

