黒いコートに、白い毛がびっしり。手の甲には、身に覚えのある細い引っかき傷。スマホの写真フォルダを開けば、ほぼ猫。玄関には、とっくに中身を出し終えた段ボール箱が、なぜかそのまま置いてある――。
猫と暮らしている人には、不思議と共通する「あるある」があります。猫を飼っている友人や同僚を見て、「あ、この人も猫飼いだな」とピンときたことがある方も多いのではないでしょうか。ねこのきもちのアンケートでも、猫のために段ボール箱を捨てられない飼い主は約6割にのぼったそうです。
この記事では、猫と暮らす愛猫家の目線で、猫飼ってる人の特徴あるあるを20個集めました。見た目・持ち物、家の中、暮らし、心と口ぐせの4つのジャンルに分けて紹介します。そして、ただのあるあるで終わらせず、その裏にある猫の習性もひとことずつ解説します。読み終わるころには、クスッと笑えて、猫のことがもう少しわかるようになっているはずです。
この記事でわかること
- 猫飼ってる人に共通する特徴あるある20個
- それぞれのあるあるが生まれる猫の習性・本能
- あるあるから見えてくる、猫との暮らしのコツ
- 当てはまった数でわかる「猫飼い度」診断
結論:猫飼いのあるあるは、猫の習性に合わせて暮らしている証拠
先に結論をお伝えすると、猫飼いのあるあるの多くは、猫の本能や習性に、飼い主が合わせて暮らした結果として生まれています。
- 段ボールを捨てられないのは、狭くて暗い場所に隠れたがる猫の本能のため
- 早起きになるのは、夜明けと夕暮れに活発になる猫の習性のため
- 家具がボロボロになるのは、爪の手入れとにおいつけという猫の本能のため
- 花を飾らなくなるのは、ユリなど猫にとって危険な植物があるため
つまり、猫飼いのあるあるは、猫を大切にしているからこその「暮らしの工夫」の集まりなのです。では、さっそく20個のあるあるを見ていきましょう。いくつ当てはまるか、数えながら読んでみてください。

見た目・持ち物のあるある5選
まずは、外から見てもわかる、見た目や持ち物のあるあるです。
1. 服に必ず猫の毛がついている
黒い服を着れば白い毛が、白い服を着れば黒い毛が目立つ。猫飼いの服には、季節を問わず猫の毛がついています。特に春と秋の換毛期には、ブラッシングしてもしても毛が抜け続け、粘着ローラーが手放せません。
猫の習性:猫は、季節に合わせて体温調節をするために毛が生え変わります。室内飼いの猫は、一年中少しずつ毛が抜ける傾向があるといわれます。こまめなブラッシングで、抜け毛はかなり減らせます。
2. 手や腕に細い引っかき傷がある
爪切りのとき、遊びが盛り上がったとき、抱っこから逃げたいとき。猫飼いの手には、細い引っかき傷がいくつもついていることがあります。「どうしたの?」と聞かれて、「猫です」と答えるのも、猫飼いあるあるです。
猫の習性:猫にとって、爪は狩りと身を守るための大切な武器です。手でじゃれさせると「人の手は獲物」と覚えてしまうので、遊ぶときはおもちゃを使うのがおすすめです。
3. スマホの写真フォルダが猫だらけ
旅行の写真を見せようとスマホを開いたら、出てくるのは猫、猫、猫。猫飼いの写真フォルダは、猫の写真で埋め尽くされていることがほとんどです。寝顔、あくび、変な寝相。同じような写真を何十枚も撮ってしまうのは、猫の可愛さが一瞬ごとに違うからです。
猫の習性:猫は1日の半分以上を寝て過ごすといわれ、そのたびに丸くなったり、お腹を出したりと寝相が変わります。シャッターチャンスが一日中あるのも、写真が増える理由です。
4. 身の回りの物が猫柄だらけ
ハンカチ、マグカップ、スマホケース、カレンダー、靴下。猫飼いの持ち物は、気づけば猫柄だらけになっています。自分で買うだけでなく、「猫好きだから」とプレゼントされることも多く、猫グッズは増える一方です。
猫グッズを選ぶときに、無意識に「うちの子と同じ毛色」を探してしまうのも、猫飼いならではのこだわりです。茶トラの飼い主は茶トラ柄、黒猫の飼い主は黒猫柄に、つい手が伸びてしまいます。
5. かばんから毛取りローラーやおやつが出てくる
職場で急に毛取りローラーを取り出す、ポケットから猫のおやつの袋が出てくる。猫飼いのかばんには、猫にまつわる持ち物がひそんでいます。出先でペットショップに寄り、猫の新しいおもちゃを買って帰るのも定番です。
猫の習性:猫は同じおもちゃにすぐ飽きてしまうことがあります。狩りの本能を刺激する「新しい獲物」を求めているからです。おもちゃを数日ごとに入れ替えると、同じおもちゃでも新鮮に遊んでくれることがあります。
| あるある | こうすると楽になる |
|---|---|
| 服の毛 | 玄関に粘着ローラーを置く/よそ行きの服は猫の寝床から離してしまう |
| 引っかき傷 | 手でじゃれさせず、猫じゃらしで遊ぶ/爪は2〜3週間に1回を目安に切る |
| 写真が多すぎる | お気に入りをアルバムにまとめ、定期的にバックアップする |
家の中のあるある5選
次は、猫飼いの家に遊びに行くと気づく、家の中のあるあるです。
6. 段ボール箱が捨てられない
通販の荷物が届いて、中身を出したら、猫がすぐに箱に入る。その姿が可愛くて、空き箱をなかなか捨てられない。猫飼いの家には、猫専用の段ボール箱がいくつも置いてあるものです。
猫の習性:猫は、狭くて暗い場所に身をひそめると安心する動物です。野生のころ、穴ぐらや木のうろに隠れて身を守り、獲物を待ち伏せしていた名残だといわれています。段ボールは保温性も高く、猫にとってはまさに理想の隠れ家なのです。
7. ドアを完全に閉められない
トイレやお風呂に入るとき、ドアを閉めると猫が外で鳴く。部屋のドアは、猫が通れるように少しだけ開けておく。猫飼いの家では、ドアの開け閉めも猫中心です。猫用のくぐり戸を取り付けている家も少なくありません。
猫の習性:猫は、自分の縄張りを見回り、どこに何があるかを把握しておきたい動物です。閉まったドアの向こうは、猫にとって「確認できない縄張り」。気になって仕方がないのです。
8. 家の一番いい場所は猫のもの
ソファの真ん中、日当たりのいい窓辺、ふかふかのクッション。家の中の一番いい場所は、たいてい猫に占領されています。飼い主はソファの端っこで小さくなって座る、というのも猫飼いあるあるです。
猫の習性:猫は、暖かく、周りを見渡せて、においのついた安心できる場所を好みます。飼い主がよく座るソファは、飼い主のにおいがついていて温かいので、猫にとっても最高の場所なのです。
9. 花や観葉植物を飾らない
猫飼いの家には、生花や観葉植物があまり飾られていないことがあります。おしゃれに興味がないわけではなく、猫の安全を考えてのことです。
猫の習性:ユリ科の植物は、花粉や花瓶の水を少しなめただけでも、猫に重い腎臓の障害を引き起こすことがあるといわれています。ほかにも、ポトスやアイビーなど、猫にとって有害な植物は数多くあります。
10. 家具や壁に爪とぎの跡がある
ソファの角がボロボロ、壁紙がはがれている、柱に爪の跡がびっしり。猫飼いの家には、猫の爪とぎの跡があちこちに残っています。賃貸住宅なら、退去のときの修繕費に頭を悩ませることも。
猫の習性:爪とぎは、古い爪をはがして新しい爪を出す手入れであり、肉球から出るにおいで縄張りを示すマーキングでもあります。やめさせることはできないので、好みの爪とぎを用意することが大切です。家具を守る工夫は「猫にソファやカーテンをボロボロにされる前に|家具を守る環境づくりと対策グッズ」で紹介しています。

暮らしのあるある5選
続いて、猫と暮らすことで変わる、生活リズムや過ごし方のあるあるです。
11. 目覚ましより先に猫に起こされる
朝5時、顔の上に猫の前足。耳元で「ニャー」。目覚まし時計が鳴る前に、猫に起こされる毎日。休日でも猫には関係なく、いつもと同じ時間にごはんを催促されます。
猫の習性:猫は、夜明けと夕暮れの薄暗い時間帯に活発になる「薄明薄暮性」の動物です。野生のころ、獲物のネズミなどが活動する時間に合わせて狩りをしていた名残だといわれています。
12. 猫が膝で寝ると動けない
トイレに行きたい、喉が渇いた、足がしびれてきた。それでも、膝の上で猫がすやすや眠っていると、なかなか動けません。「猫が乗っているので」を理由に、家事を後回しにしたことがある猫飼いも多いはずです。
猫の習性:猫が膝の上で眠るのは、そこが温かく、安全だと感じているから。寝ている間は無防備になるので、信頼している相手の上でしか熟睡しないともいわれます。動けないのは、信頼の証を受け取っている時間なのです。
13. 飲み会を早めに切り上げて帰る
「猫が待っているので」と一次会で帰る。仕事が終わると、まっすぐ家に帰る。猫飼いは、猫のごはんの時間や、留守番の長さが気になって、つい帰宅が早くなりがちです。
猫は一日の多くを寝て過ごすので、成猫であれば、半日程度の留守番は問題ないことがほとんどです。それでも、玄関を開けたときに猫が出迎えてくれる姿が見たくて、つい早足で帰ってしまうのが猫飼いの性分です。
14. 旅行に行きにくい
猫は環境の変化を嫌う動物なので、旅行に連れて行くのは難しいもの。泊まりがけで出かけるときは、ペットシッターを頼むか、家族や友人に世話をお願いするか、ペットホテルに預けるか。旅行の計画は、まず猫の世話の手配から始まります。留守番の準備については「猫の留守番は何日まで大丈夫?1泊・2泊・長期の準備と危険な落とし穴」が参考になります。
15. パソコン作業を邪魔される
在宅ワーク中、キーボードの上に猫がどっかり。画面の前を行ったり来たり。オンライン会議に猫が映り込むのも、今や猫飼いの定番あるあるです。
猫の習性:パソコンは温かく、飼い主の視線が集まる場所。猫にとっては、座り心地がよく、飼い主の注目を独り占めできる特等席なのです。机の横に猫用のベッドを置くと、キーボードに乗る回数が減ることがあります。
| 暮らしのあるある | 猫にも飼い主にも楽な工夫 |
|---|---|
| 早朝に起こされる | 自動給餌器で朝ごはんを出す/寝る前にしっかり遊ばせる |
| 旅行に行けない | 信頼できるペットシッターや預け先を、普段から見つけておく |
| パソコンを邪魔される | 作業前に遊ぶ/机のそばに猫用ベッドを置く |
心と口ぐせのあるある5選
最後は、猫飼いの心の中や、ふとした口ぐせに表れるあるあるです。
16. 猫に話しかけるとき、声が別人になる
普段は落ち着いた声で話す人も、猫の前では1オクターブ高い声で「どうしたの〜」「おなかすいたの〜」。猫に話しかける独り言が増えるのも、猫飼いの特徴です。家族に聞かれて恥ずかしい思いをした経験がある人も多いでしょう。
猫の習性:フランスの研究では、猫は飼い主が猫に向けて話す声には反応しやすく、知らない人の声には反応が薄いことが報告されています。高い声での話しかけは、ちゃんと猫に届いているのかもしれません。
17. 家族を猫の名前で呼び間違える
子どもや夫、妻を呼ぼうとして、つい猫の名前が出てしまう。猫飼いの家庭では、よくある呼び間違いです。それだけ、猫の名前を口にする回数が多いということでもあります。
猫の習性:上智大学などの研究では、猫は自分の名前を、ほかの言葉と聞き分けているらしいことが報告されています。呼ぶたびにしっぽや耳だけで返事をしてくれるのも、名前をわかっているからなのでしょう。
18. よその猫や猫グッズをつい目で追ってしまう
道を歩いていて野良猫を見かけると、思わず立ち止まる。街中で猫の柄を見つけると、つい目が行く。テレビに猫が映ると、手を止めて見入ってしまう。猫飼いのアンテナは、常に猫に向いています。
自分の猫と同じ毛色の猫を見かけると、「うちの子に似てる!」とつい写真を撮りたくなるのも、猫飼いならではです。ただし、野良猫や地域猫に不用意に近づいたり、エサをあげたりするのは、地域のルールやトラブルのもとになることもあるので、見守るだけにとどめておきましょう。
19. 猫のトイレを毎日チェックしてしまう
トイレ掃除のたびに、おしっこの量や色、うんちの形をじっくり確認する。猫飼いにとっては、ごく当たり前の日課です。周りから見ると不思議な光景かもしれませんが、これは猫の健康を守るための大切な習慣なのです。
猫の習性:猫は、体の不調を隠そうとする動物です。おしっこの量が急に増えた、回数が多いのに少ししか出ない、といった変化は、腎臓病や膀胱炎などの病気のサインであることがあります。トイレのチェックは、病気の早期発見に役立ちます。
20. 「うちの子が一番かわいい」と本気で思っている
どんなに美しい猫の写真を見ても、どんなに人気の猫種を見ても、最後に思うのは「でも、うちの子が一番かわいい」。これこそが、猫飼いの最大の特徴かもしれません。親バカならぬ「猫バカ」であることを、猫飼いは誇りに思っているのです。
ちなみに、飼い主が自分の猫を特別にかわいいと感じるのは、毎日の触れ合いで絆が深まっているからだとも考えられます。長く一緒に暮らすほど、その子の小さなしぐさや表情の変化までわかるようになり、「世界に一匹だけのうちの子」になっていくのです。
あなたは何個当てはまった?猫飼い度診断
20個のあるある、いくつ当てはまりましたか。当てはまった数で、あなたの「猫飼い度」をチェックしてみましょう。

0〜5個だった方は、猫との暮らしが始まったばかりか、猫と上手に距離を保てているタイプかもしれません。6〜10個なら、立派な猫飼いです。11個以上当てはまった方は、生活の軸が完全に猫になっている、筋金入りの猫飼いといえるでしょう。
もちろん、何個当てはまっても、猫を大切にしている証拠であることに変わりはありません。家族や猫好きの友人とも、何個当てはまったか比べてみると、盛り上がるはずです。
あるあるから見える、猫との暮らしのコツ
ここまで紹介してきたあるあるには、猫と快適に暮らすためのヒントがたくさん隠れています。あるあるを「困りごと」で終わらせず、猫の習性に合わせた工夫につなげてみましょう。
- 段ボール好き→ 隠れ家やキャットハウスを用意すると、猫が安心して過ごせる
- 高い場所・一番いい場所が好き→ キャットタワーや窓辺の棚で、猫専用の特等席をつくる
- ドアを開けてほしい→ 猫用のくぐり戸で、猫も飼い主もストレスが減る
- 爪とぎ→ 縦置き・横置き、素材の違う爪とぎを複数置いて、好みを探す
- 早朝の催促→ 自動給餌器と寝る前の遊びで、起こされる回数を減らす
- 植物の危険→ ユリなど有害な植物は家に持ち込まない
猫が快適に暮らせる部屋づくりについては、「猫が快適に暮らせる部屋づくり|上下運動・隠れ家・動線のレイアウト実例」で詳しく紹介しています。あるあるの原因を知って環境を整えれば、猫はもっとのびのびと、飼い主はもっと楽に暮らせるようになります。
猫飼いの性格にも共通点がある?
猫飼いのあるあるは、暮らしの中だけでなく、性格にも表れているのかもしれません。海外の研究では、猫派は好奇心が強く、内向的で繊細な傾向があると報告されています。猫の小さな変化に気づく観察力や、猫のペースを待てる忍耐力も、猫と暮らすなかで育っていく部分がありそうです。
ただ、こうした特徴が、ときに「付き合いが悪い」「そっけない」と誤解されてしまうことも。猫飼いの性格について詳しくは、「「猫飼ってる人は性格悪い」は偏見?研究でわかった猫飼いの本当の性格」で解説しています。
猫飼いのあるあるは、猫好き同士の会話のネタとしても盛り上がります。「うちもそう!」「それは初めて聞いた」と、あるあるを語り合えば、猫好きの輪はどんどん広がっていくはずです。ただし、猫に興味のない人に20個全部を熱く語るのは、ほどほどにしておきましょう。
猫飼いあるあるでよくある質問
-
Q猫はなぜ段ボールがあんなに好きなのですか?
-
A猫は、狭くて暗い場所に身を隠すと安心する習性があります。野生のころに穴ぐらなどに隠れて身を守っていた名残だといわれています。段ボールは適度な狭さがあり、保温性も高く、爪とぎにも使えるので、猫にとってはとても魅力的な場所なのです。
-
Q猫を飼っていると、どうして早起きになるのですか?
-
A猫は、夜明けと夕暮れに活発になる習性があるため、朝早くからお腹をすかせて飼い主を起こしに来ることがよくあります。自動給餌器で朝ごはんが出るようにしたり、夜ごはんを寝る直前にあげたりすると、起こされる時間が遅くなることがあります。
-
Q服についた猫の毛を減らす方法はありますか?
-
Aいちばん効果的なのは、猫をこまめにブラッシングして、抜け毛そのものを減らすことです。また、よそ行きの服は猫が入れないクローゼットにしまう、毛がつきにくい素材の服を選ぶ、玄関に粘着ローラーを置いて出かける前に使う、といった工夫も役立ちます。
まとめ:猫飼いあるあるは、猫を大切にしている証
猫飼いのあるあるは、どれも猫の習性に合わせて、飼い主が暮らしを工夫してきた証です。
- 見た目・持ち物:服の毛、手の傷、猫だらけの写真フォルダ、猫柄グッズ
- 家の中:捨てられない段ボール、閉められないドア、猫の特等席、花を飾らない
- 暮らし:猫に起こされる早起き、膝の上で動けない、旅行に行きにくい
- 心と口ぐせ:猫に話す声が別人、呼び間違え、トイレチェック、うちの子が一番
- あるあるの裏には、隠れる・薄明薄暮性・縄張り・爪とぎなどの猫の習性がある
- 習性を知れば、隠れ家や爪とぎ、自動給餌器など、暮らしの工夫につなげられる
今日、猫が段ボールに入っていたら、「狭い場所で安心しているんだな」と思いながら、そっと見守ってあげてください。あるあるの理由を知ると、猫との毎日が、もっと愛おしく感じられるはずです。

