「せっかく買ったキャットタワーを、猫がまったく使ってくれない」「思っていたより大きくて、部屋が狭くなってしまった」「猫が飛び乗るたびにぐらぐら揺れて怖い」。キャットタワーは決して安い買い物ではないのに、こんなふうに後悔してしまう飼い主は少なくありません。
キャットタワー選びで失敗しないためのポイントは、猫の年齢や体格と、部屋の広さや天井の条件に合ったものを選ぶことです。基本的には、活発に動き回る若い猫には高さのある突っ張り型、子猫やシニア猫、体の大きな猫には段差が低く安定した据え置き型が向いています。
この記事では、キャットタワーが猫に必要な理由から、据え置き型と突っ張り型の比較、後悔しないためのチェックポイント、年齢・体型別と部屋別の選び方、設置場所、安全に使うための点検、使ってくれないときの工夫まで、図解を交えてくわしく紹介します。
この記事でわかること
- キャットタワーが猫に必要な理由
- 据え置き型と突っ張り型のメリット・デメリット
- 後悔しないための6つのチェックポイント
- 年齢・体型別、部屋別の選び方と設置場所
- 安全に使うための点検と、使ってくれないときの工夫
結論:若い猫は突っ張り型、子猫・シニア・大型猫は据え置き型
キャットタワーを選ぶときは、まず次の基本を押さえておきましょう。
- 活発な若い猫:天井近くまで高さを出せる突っ張り型で、上下運動をたっぷり
- 子猫:段差が低く、落ちてもけがをしにくい据え置き型。成長に合わせて買い替えも
- シニア猫:段差が低く、ステップが広い据え置き型。スロープ付きなども
- 大型の猫・太り気味の猫:支柱が太く、土台が重い据え置き型。耐荷重を必ず確認
- 狭い部屋:省スペースで高さを出せる突っ張り型
どちらのタイプを選ぶ場合でも、いちばん大切なのは安定性です。猫が飛び乗ったときにぐらぐら揺れるタワーは、猫が怖がって使わなくなるだけでなく、倒れてけがをする危険もあります。価格や見た目だけで選ばず、猫が安心して使えるかどうかを最優先に考えましょう。
また、キャットタワーは一度買えば何年も使うものです。今の猫の年齢だけでなく、数年後の体の変化もイメージして選ぶと、後悔しにくくなります。
キャットタワーが猫に必要な理由
キャットタワーは、室内で暮らす猫にとって、さまざまな役割を果たしてくれます。
- 運動不足の解消:上り下りやジャンプで、室内でもしっかり体を動かせる
- 安心できる高い場所:高い場所から周りを見渡すと、猫は落ち着ける
- ストレスの解消:遊んだり爪をといだりして、エネルギーを発散できる
- 自分だけの居場所:タワーの上や箱の中が、猫のお気に入りの寝床になる
- 多頭飼いのトラブル防止:上下の空間が増え、猫同士が距離をとりやすくなる
- 家具を守る:爪とぎ部分や登る場所があると、家具やカーテンへのいたずらが減る
猫は、もともと木に登ったり、岩場を飛び移ったりして暮らしていた動物です。高い場所は、敵から身を守り、獲物を見つけるための大切な場所でした。室内飼いの猫にもこの本能は残っていて、高い場所にいると安心して過ごせるのです。
特に、床面積が限られた部屋では、キャットタワーで上下の空間を使うことで、猫が暮らせる場所をぐんと増やせます。部屋づくり全体のコツは「猫が快適に暮らせる部屋づくり」で紹介しています。
据え置き型と突っ張り型の比較
キャットタワーは、大きく分けて「据え置き型」と「突っ張り型」の2種類があります。

据え置き型は、床に置くだけで使えるタイプです。組み立てが比較的簡単で、模様替えのときも移動しやすいのが特徴です。高さは低めから中くらいのものが多く、段差を低くしやすいため、子猫やシニア猫、体の大きな猫に向いています。ただし、床面積をとるうえ、背の高いものは猫が飛び乗ったときに揺れやすくなります。安定性を重視するなら、土台部分が厚くて重さのあるものを選びましょう。
突っ張り型は、天井と床の間に支柱を突っ張って固定するタイプです。天井近くまで高さを出せるため、活発な若い猫がたっぷり上下運動できます。床面積をあまりとらないので、狭い部屋にも置きやすいのが魅力です。一方で、天井の強度が必要で、天井が弱い場所や、傾斜のある天井には設置できないことがあります。また、使っているうちに突っ張り部分が緩んでくることがあるため、定期的な締め直しが欠かせません。
どちらが優れているというわけではなく、猫と部屋に合ったほうを選ぶことが大切です。
後悔しないための6つのチェックポイント
キャットタワーを選ぶときは、次の6つのポイントを確認しましょう。

安定性は、最も大切なポイントです。据え置き型なら土台の重さや広さ、突っ張り型なら支柱の太さや本数を確認しましょう。支柱が2本ある突っ張り型は、1本のものより安定しやすくなります。
段差の間隔も重要です。段と段の間が広すぎると、子猫やシニア猫、体の重い猫は上り下りが大変になります。特に、下りるときに高い場所から飛び降りると、関節に負担がかかります。猫の年齢や体格に合わせて、無理なく上り下りできる間隔のものを選びましょう。
ステップの広さは、猫がしっかり体を乗せられる大きさかを確認します。ステップが小さいと、大きな猫は乗りにくく、足を踏み外して落ちることもあります。いちばん上の段は、猫が体を伸ばして寝られる広さがあると、お気に入りの場所になりやすいです。
耐荷重は、猫の体重だけでなく、飛び乗るときの衝撃も考えて、余裕のあるものを選びましょう。多頭飼いで複数の猫が同時に乗る場合は、合計の体重も考える必要があります。
爪とぎ部分は、麻縄などが巻かれていることが多く、使っているうちにボロボロになります。爪とぎ部分だけを交換できるものを選ぶと、長く使えて経済的です。設置スペースは、部屋の広さだけでなく、突っ張り型なら天井の高さや強度も必ず確認しておきましょう。
年齢・体型別の選び方
猫の年齢や体型によって、合うキャットタワーは変わります。
| 猫のタイプ | おすすめのタイプ | 選ぶポイント |
|---|---|---|
| 子猫 | 低めの据え置き型 | 段差が低く、落ちてもけがをしにくい高さ。おもちゃ付きも人気 |
| 活発な若い猫 | 突っ張り型、高さのある据え置き型 | 天井近くまで上れる高さ。ジャンプの衝撃に耐える安定性 |
| シニア猫 | 低めの据え置き型、ステップ型 | 段差が低く、ステップが広い。スロープ付きも |
| 大型の猫 | 頑丈な据え置き型 | 支柱が太く、ステップが広い。耐荷重に余裕があるもの |
| 太り気味の猫 | 低めで安定した据え置き型 | 段差を少しずつ上れるもの。運動のきっかけに |
子猫の場合、成長してから高さのあるタワーに買い替えることを前提に、最初は低めのものを選ぶ方法もあります。反対に、最初から大きなタワーを選ぶ場合は、子猫のうちは下の段だけで遊ばせるなど、高いところから落ちないように見守ってあげましょう。
シニア猫は、関節の痛みなどで高い場所に上れなくなることがあります。若いころに使っていた高いタワーを使わなくなったら、段差の低いものに買い替えたり、踏み台を置いたりして、上りやすくしてあげましょう。
部屋の広さ別の選び方
キャットタワーは、部屋の広さや間取りによっても、選ぶべきタイプが変わります。
| 部屋 | おすすめ | ポイント |
|---|---|---|
| ワンルーム・狭い部屋 | 突っ張り型(支柱1本のスリムなもの) | 床面積をとらずに高さを出せる |
| 広めのリビング | 大型の据え置き型、支柱2本の突っ張り型 | 存在感があっても圧迫感が出にくい |
| 天井が高い・吹き抜け | 据え置き型 | 突っ張り型は天井に届かないことがある |
| 天井が弱い・傾斜がある | 据え置き型 | 突っ張り型は安全に固定できない |
| 賃貸住宅 | 据え置き型、天井を傷つけにくい突っ張り型 | 原状回復できるか確認。天井に保護パッドを |
突っ張り型を選ぶ場合は、まず天井の高さを正確に測り、そのタワーが対応している高さの範囲に入っているかを確認しましょう。天井の材質も大切で、石こうボードなどの弱い天井に強く突っ張ると、天井がへこんだり、穴が開いたりすることがあります。天井の下地(はり)がある位置を選んで設置するか、保護パッドなどを使って力を分散させましょう。
据え置き型は、置く場所の床面積をよく測っておきましょう。写真で見た印象より大きく感じることも多いので、実際のサイズを床にテープで印をつけてイメージしてみると、失敗を防げます。
設置場所のポイント
キャットタワーは、どこに置くかで、猫が使ってくれるかどうかが大きく変わります。

おすすめは、窓際と、家族が集まるリビングです。猫は外の景色を眺めるのが大好きなので、窓の外が見える場所にタワーを置くと、お気に入りの見張り台になります。また、猫は家族のそばで過ごしたい動物なので、人の気配が感じられるリビングに置くと、よく使ってくれます。
安定性の面では、壁際や部屋の角に置くのがおすすめです。壁に沿わせて置くと、猫が飛び乗ったときの揺れを抑えられます。転倒防止のために、家具と同じように壁に固定できるベルトを使うのもよい方法です。
反対に、直射日光が長時間当たる場所や、エアコンの風が直接当たる場所は避けましょう。夏の窓際は、日差しで思った以上に暑くなることがあります。また、タワーの上からテレビや棚に飛び移れる場所に置くと、物を落としたり、猫が落ちてけがをしたりすることがあるので注意が必要です。窓際に置く場合は、網戸ロックをつけて、脱走や落下を防ぎましょう。
購入前に確認しておきたいこと
キャットタワーは大きくて重いものが多く、届いてから「置けなかった」「組み立てられなかった」と困ることもあります。購入前に、次のことを確認しておきましょう。
- 設置場所のサイズを測る:幅・奥行き・高さ。突っ張り型は天井の高さを正確に
- 搬入経路を確認する:箱のサイズで玄関や廊下、エレベーターを通れるか
- 組み立ての手間を確認する:大型のものは2人で組み立てる必要があることも
- 部品の交換ができるか:爪とぎ部分やベッドだけを買い足せるか
- 口コミで安定性を確認する:実際に使っている人の「揺れ」についての感想を参考に
- 処分方法を考えておく:買い替えのときに粗大ごみになるかどうか
通販で購入する場合は、商品の写真だけでは大きさや質感がわかりにくいことがあります。サイズを床にテープで印をつけたり、高さを壁にマスキングテープで示したりして、実際に置いたときのイメージを確かめておくと、失敗を防げます。
ペットショップやホームセンターで実物を見られる場合は、実際に手で揺らしてみて、安定感を確かめるのもおすすめです。支柱の太さやステップの広さ、素材の質感なども、実物を見るとよくわかります。
素材と爪とぎ部分の選び方
キャットタワーは、素材によっても使い心地や耐久性が変わります。
- 麻縄の支柱:爪とぎとして使える。ボロボロになったら巻き直しや交換を
- カーペット素材:やわらかく足ざわりがよい。毛やほこりがつきやすく、爪が引っかかることも
- 木製:丈夫でインテリアになじみやすい。表面がつるつるだと滑りやすいので注意
- ボア・ファー素材のベッド:冬は暖かく、猫がくつろげる。取り外して洗えるものが便利
爪とぎ部分は、猫の好みに合う素材を選ぶことが大切です。麻が好きな猫、段ボールが好きな猫など、猫によって好みは分かれます。今使っている爪とぎの素材を参考に選ぶとよいでしょう。爪とぎの選び方は「猫にソファやカーテンをボロボロにされる前に」でも紹介しています。
木製のタワーは、見た目がおしゃれで長持ちしますが、ステップの表面がつるつるしていると、猫が滑って落ちることがあります。滑り止めのマットが敷いてあるか、表面に加工がされているかを確認しましょう。
ハンモックやベッド、ボックス(箱)がついたタワーは、猫のお気に入りの寝床になりやすいです。ただし、ハンモックは体重の重い猫には向かないこともあるので、耐荷重を確認してください。布製の部分は、猫の毛や汚れがたまりやすいので、取り外して洗えるかどうかも選ぶときのポイントです。
安全に使うための点検
キャットタワーは、使っているうちにネジが緩んだり、部品が傷んだりします。猫が安全に使えるように、定期的に点検しましょう。
- 突っ張り部分の緩みを確認:突っ張り型は、月に1回程度は締め直す。季節の変わり目は特に緩みやすい
- ネジの緩みを確認:ステップや支柱をつなぐネジが緩んでいないか
- ぐらつきを確認:手で揺らしてみて、ぐらぐらしないか
- 爪とぎ部分の傷みを確認:麻縄がほどけて、猫の爪が引っかかる状態になっていないか
- ハンモックやベッドの破れを確認:布が破れると、猫が落ちる原因になる
- 転倒防止を確認:壁に固定しているベルトが外れていないか
突っ張り型は、季節による湿度や温度の変化で、天井や床の材質がわずかに伸び縮みし、突っ張りが緩むことがあります。猫が飛び乗った拍子にタワーが倒れる事故も起きているので、定期的な締め直しを習慣にしましょう。
点検のときに、ほどけた麻縄や、はがれたカーペットの切れ端がないかも確認してください。猫がかじって飲み込むと、腸に詰まる危険があります。
使ってくれないときの工夫
せっかく買ったキャットタワーを、猫が使ってくれないこともあります。そんなときは、次のような工夫を試してみましょう。
- 置き場所を変える:窓際や、猫がよく過ごす場所の近くに移す
- おやつを置く:タワーの上の段におやつを置いて、上るきっかけをつくる
- じゃらしで誘う:タワーの周りでじゃらしを動かし、遊びながら上り下りさせる
- 猫のにおいをつける:猫が使っている毛布やタオルを、タワーのベッドに置く
- またたびを使う:爪とぎ部分やステップに、少しまたたびを振りかける
- 安定させる:ぐらつきがあると猫は怖がる。壁に固定する、締め直す
新しいタワーには、猫が知らないにおいがついています。慣れるまでに時間がかかる猫もいるので、焦らずに数日から数週間、様子を見てあげましょう。猫が自分のにおいをつけていくうちに、少しずつお気に入りの場所になっていきます。
それでも使ってくれない場合は、タワーが猫に合っていない可能性もあります。段差が高すぎて上れない、ステップが狭くて乗りにくい、揺れて怖い、といった理由がないか確認してみましょう。遊び方のコツは「猫がおもちゃで遊ばない原因は?年齢別おすすめおもちゃと遊ばせ方」で紹介しています。
多頭飼いのキャットタワー選び
多頭飼いの家庭では、キャットタワー選びにも少し工夫が必要です。
| ポイント | 理由 |
|---|---|
| ステップや寝床の数が多いもの | 複数の猫が同時に使える。いちばん上の取り合いを減らす |
| 上り下りのルートが複数あるもの | 苦手な相手とすれ違わずに移動できる |
| 耐荷重に余裕があるもの | 複数の猫が同時に乗っても安全 |
| タワーを2台置く | 猫同士の縄張り争いを防ぐ |
多頭飼いでは、タワーのいちばん上の場所をめぐって、猫同士の力関係が表れることがあります。強い猫がいちばん上を独占して、ほかの猫が使えなくなることもあるので、寝床やステップが複数あるタワーを選んだり、別の場所にもう1台置いたりするとよいでしょう。多頭飼いの環境づくりは「多頭飼いで後悔しないために」で紹介しています。
キャットタワーは、猫同士の逃げ道としても役立ちます。追いかけられた猫が高い場所に逃げられると、けんかがエスカレートしにくくなります。
キャットタワーでよくある質問
-
Qキャットタワーは何年くらいで買い替えるものですか?
-
A使い方や素材によって違いますが、数年から5年程度で買い替える飼い主が多いようです。ぐらつきが直らない、部品が傷んで危ない、猫の年齢に合わなくなった、といったときが買い替えのタイミングです。爪とぎ部分だけ交換できるものなら、長く使えます。
-
Qキャットタワーがなくても大丈夫ですか?
-
A必須ではありません。家具の配置を工夫して、猫が上れる高い場所やルートをつくれば、キャットタワーがなくても上下運動はできます。ただし、家具の上に割れ物を置かない、家具が倒れないように固定するなどの安全対策は必要です。
-
Q中古のキャットタワーを使っても大丈夫ですか?
-
A使うことはできますが、前の猫のにおいが残っていると、警戒して使わないことがあります。また、部品の傷みやネジの緩みがないか、ノミなどがついていないかをよく確認しましょう。布部分は洗うか交換し、しっかり掃除してから使うと安心です。
まとめ:猫の体格と部屋に合わせて、安全なタワーを選ぼう
キャットタワーは、室内で暮らす猫にとって、運動と安心の両方を与えてくれる大切な場所です。猫の年齢や体格、部屋の条件に合ったものを選べば、長く愛用してもらえます。
- 活発な若い猫は突っ張り型、子猫・シニア・大型猫は据え置き型が基本
- いちばん大切なのは安定性。土台の重さや支柱の太さを確認
- 段差の間隔、ステップの広さ、耐荷重、爪とぎの交換のしやすさもチェック
- 突っ張り型は天井の高さと強度を確認し、月1回程度は締め直す
- 設置は窓際やリビングの壁際に。直射日光やエアコンの真下は避ける
- 使ってくれないときは、置き場所・おやつ・じゃらし・においで誘う
キャットタワーのてっぺんで、気持ちよさそうに外を眺めたり、丸くなって眠ったりする猫の姿は、飼い主にとっても幸せなひとときです。猫にぴったりのタワーを見つけて、猫の毎日をもっと楽しくしてあげてください。猫が喜ぶグッズは「猫飼いが買ってよかったグッズ」でも紹介しています。

